番外編4

「デザイン思考とアート思考」

 

令和元年の始まりが原点回帰だったこともあり、今後の活動を踏まえて、

新たに自身がスタートしてきたい思いのプロセスを、ここしばらくは

番外編でお伝えしていきたいと思います。

 

ゴールデンウイークの間、やっと自身のモノ創りへの思いに近い

書籍にも出逢う事が出来ました。昨今のビジネスの世界で注目されている、

「デザイン思考」「アート思考」の書籍です。

 

沢山の書籍が出ていますが、私は書籍を選ぶとき、

その先生のお人柄、人生観に惹かれて書籍を選ぶ事が多いです。

 

今回、私が惹かれた書籍ではその先生の、ネットでのビジネス記事を

拝見させて頂き、考え方、捉え方、文面のまとめ方、人生観に惹かれ、

書籍を取り寄せました。

 

内容は、何度か別の方のワークショップで言われていた

「デザイン思考」「アート思考」ではありますが、書籍の

先生の内容は、「人の本質」にフォーカスした内容のように

感じ、とても心地良く読み終える事が出来ました。

 

ビジネスの世界での活用方法は、私には良く解りませんが、

簡単にまとめると

 

「デザイン思考」とは、

※デザイナーでない方々が、「デザイナーのごとく考えること」

「アート思考」とは、

※問題のありかをどのようにみつけるか、社会に問うべき問い」

なのだそうです。

 

参考書籍:「デザインの次に来るもの」

URL  :http://ur0.work/hw3h

 

この書籍を読ませて頂いた後、自身のこれまでの

経験を回帰すると、とても頷ける事が多かったです。

 

私のこれまでのコーディネーター/デザイナーの職位による

 

「デザイン思考」では

※デザイナーでない方に、デザイナーの意図や方向性をどう伝えるか?

「アート思考」では

※出来ない(デザイン・技法・納期)と言う答えに対し、新たな方向性を伝えれるか?

でした。

 

私の職位は前回の番外編3でもお伝えしたように1ブランドのみに

携わるデザイナーではなく、顧客(ユーザー)、得意先(メーカー、商社)、

生産者(パタンナー、工場)の方々とのコミュニケーションを取りながら、

デザインを起こす業務が主だった事から、伝え方・方向性のまとめが重要でした。

 

もっと、判りやすい例でお伝えすると、

 

1:顧客の方に伝えるのが、カタログ等のモデルさん着用スタイル画像(商品)

  注:参照画像01

 

2:得意先に伝えるのが、試作前のイメージ画(スタイル画、イメージイラスト)

  注:参照画像02

 

3:生産者(パタンナー、工場)伝えるのが、企画・指示書図(ハンガーイラスト)

  注:参照画像03

 

となります。

 

この画像やイラスト例で、ビジネスの世界でのデザイン思考と

アート思考に繋がるのか?は解りませんが、ファッションの

世界での具体例として、経験談をお話します。

 

参照画像01は、企画、デザイン当初のデザイナーの頭の中では

既に、画像通りのイメージが出来上がっています。

 

ですが、顧客の方や、企画を担当される取引先のプランナーさんには、

このイメージ、特に、コートの丈、細かなディティール

(実際の襟、ポケットの大きさや位置、種類、素材、サイズ感等々)は、

商品として出来上がらないと、まったく創造は出来ません。

また、プランナーさんの企画段階では顧客目線での多様な

コーディネート方法も判りません。この参考画像01のコート裏側が

取り外し可能な、ライナー付という事も、何故?普通の裏地の使用ではなく、

ライナー付にしたのか?も解りません。そして、何故?ウールのクロップ

ドパンツとのコーディネートなのかも?分かりません。

 

そのデザイナーの意図や理由、方向性は、デザイナーがデザインを

起す前に、このページの企画を申し出てきた、商社、メーカーさんの

プランナーさんの意図を聴き出す事から始まります。その意図を汲んだ上で、

この参考画像01製品イメージを共有して行きます。そして、十分にイメージを

共有し、ディスカッションしたはずの参考画像01のコーディネートスタイル

撮影に至るまでには、幾つか笑い話があります。

 

この製品サンプルが上がり、最終段階の撮影となった頃、企画をされた、

得意先のプランナーさんが「このスタイルではパンツの丈が長すぎるのでは?」

という質問が、撮影段階の今頃?(笑)入りました。まず、何が笑話なのか?

というと、普通、商品に至る前迄、製品サンプルは、通常Max4回作ります。

ファーストサンプル、セカンドサンプル、撮影サンプル、先上げサンプル

(実際の工場で量産確認用)の4回です。今は、データー化しすぎて、

こんなにサンプルは作らないと思いますが、、、良い意味では、

エシカルかもしれませんが、、、別の意味ではどうなのか?と思う事もあります。

このお話は、おいおいという事で、話を戻します。

 

そのサンプルを毎回、ページを企画されたプランナーさんの元に送付するのですが、

一度もコートと一緒にコーディネートして、サンプル修正のチェックをされて

いなかったことが、デザイナーにとっては笑えてしまうのです。

 

皆さまは、何故、笑話だと思いますか?

 

まず、人はコートの下に何も着用する事なく外出する事はないですよね?

また、インナー、トップス、アクセサリー、ボトム、バッグ全てを

コーディネートして外出しませんか?特に、カジュアラインのコート

ではなく、トラッドなトレンチコートでのスタイルだと尚の事だと思います。

 

また、カットソーの軽い、ワンマイルウエア用の羽織でもないのです。

小物は無くても、トップス、ボトム、靴はコーディネートしますよね?

 

本来、取引先様は、自社の顧客の動向や、好み、傾向をリサーチ・

マーケティングして企画をします。その後、私達の様な外部メーカーの

デザイナーに依頼をされます。その際に、最終的なページ構成も踏まえて

依頼されるのが本来の企画です。

 

その際には、お客様の動向として、トレンチコートに需要があると判断した

場合は、そのコートに付随して販売出来る、又は、コートの良さを理解して

頂く為のコーディネートアイテムが必須となります。

 

そうした事も踏まえて、イメージ画像や、スタイル画を交えてイメージを

共有して行きます。また、最終的な撮影時のコーディネートも踏まえて、

プランナーの方とコミュニケーションを取らせて頂いたはず?だったのですが

(苦笑)。。。

 

何度も送付させて頂いたサンプルで見て頂いていたのは、製品1点、

1点の細かなデザイン修正や、サイズ感、縫製レベルだけだった事から、

本来の「顧客目線」=「デザイン思考」「アート思考」がいつの間にか

ずれていた事が笑話なのです。

やっぱり日本って、技術的な事を最優先でチェックする場になると

「顧客目線」ではなく、自社のクレーム対応対策が先になるんだなぁ

という事で、おもわず笑えてしまったのが、1点目。

 

本来、顧客の方のクレームで一番多いのが、イメージ違いなんですけどね。。。

なので、もし、他社様がデザインしたコートと、私達が創ったクロップドパンツを

コーディネートして撮影、カタログに掲載した際は、色んな企画意図や、

デザインバランスが崩れるので、どんなに良い素材を使用しても、縫製レベルが

良くても、型紙が良くても、売上には繋がらない製品になっていたと思います。

そういう例も多々ありですが、ここでは抜粋します。

 

次に、クロップドパンツ(フルレングスのパンツをカットした丈)=

春先から夏場のイメージとなり、コーディネートする靴は「パンプス」!

というイメージが、企画された得意先のプランナー様の頭から離れて

いなかった事が2点目です。

 

実は、この企画は、梅春(1月~2月)~春先迄のアイテムを

トータルコーディネートで提案していく企画の一部です。

 

その為、ライナー付トレンチコートは、梅春~春先までの着用や、

初秋でも対応可能なように企画・デザインしたコートです。また、

梅春のまだまだ寒い時期に、春を感じさせるコーディネートでもありながら、

寒がりな女性の体を守る事も踏まえ、梅春でも着用したくなるクロップド

パンツという事で、素材はウール混での提案でした。当時は、ウール混での

クロップド丈は少なかった事と、ターゲット層の女性は30代~40代の会社

務めのキャリア志向女性だった事もあり、クロップドパンツでパンプスは

どうしても、身長のある方には良くても身長が少し低い方には、野暮ったく

見える難しい丈だった事から、ブーツとのコーディネートをご提案させて頂きました。

 

その意図が伝わっていなかった?または、忘れられていたのか?(笑)

見事に、当初の企画意図が、また、一歩、遠くに行ってしまったように

感じました(笑)

 

という事から、

せっかくのコーディネートイメージ画は、コートとクロップドパンツだけ、

という1点、1点の製品イメージになっていた事、コーディネートのイメージ

共有、対話でも、合わせる靴のイメージまでに至っていなかった事が、

笑い話の2点目です

 

まとめると、お客様(顧客)に伝える方法でもある、「デザイン思考」

「アート思考」では、購買理由や、きっかけ創りが重要になって来ます。

お客様(顧客)の購入に至るプロセス、きっかけは、まず、

①:自身が購入したい商品を探す

②:ワードローブに足りない何かを探す

③:何気に見て気に入ったら購入する

この3点が基本となります。

 

そのため、「視覚的効果」が重要となり、

 

①:モデルの方の着用イメージが自身と同質に感じる

②:コーディネートの画像が、製品の着回しをイメージしやすい

③:バッグやストール等の小物等を探しながら足りないアイテムを見つける

こうしたプロセスを演出する事が大切となります。

 

それには、まず企画する、デザインする側の私達が、「デザイン思考」

「アート思考」での客観的捉え方、伝え方を重視する必要があります。

 

A:デザインを知らない、顧客の方にこの商品のDesignの良さを伝える方法を見つける

デザイナーと顧客の動向を熟知しているプランナー、生産者との

対話とコミュニケーション力が大切(双方の意図や思いの伝え方)

「デザイン思考」

 

B:他社の製品ではく、この製品を購入すると良いのかを伝える

企画、デザイン、生産者側の意図、顧客目線も取り入れ、

長く愛用出来る素材や機能性、デザイン、多様なコーディネートで、

 新しい捉え方を伝える(多様な捉え方やニーズを把握する事)

「アート思考」

 

という、ファション業界ならではの「デザイン思考」「アート思考」

お客様(顧客)にも伝えていかないと、他社様との差別化は勿論、

ブランド本来の意図は伝わらないのです。

 

当時は「デザイン思考」「アート思考」の概念は知らない私達では

ありましたが、こうした色々な対話や笑い話、時には、苦言を伝え合い

ながらでのコミュニケーションから、本当の意味での「顧客目線」を

模索していました。また、ビジネスの世界での概念とは異なるかもしれませんが、

こうした考え方で、お客様にとって大切な商品を企画、デザインし、又、

多くの関係者とのコミュニケーションも大切にしながら、製品を届けさせて

頂きました。

 

そししたプロセスの中で、

参考画像02は、

プランナーさんにお見せする時に使用するスタイル画と、イメージイラストです。

コートの参考画像01と異なるスタイル画、イメージイラストですが、こうした

コーディネートやカラー展開等を踏まえた、スタイル画、イラストを活用して、

製品イメージを共有し合い、コミュニケーションを取ってきました。

 

また、

参考画像03では、

生産される側、パタンナー(型紙)、生産工業の方々にお伝えする為に、

もっと精密な、指示も書き込めるデザイン画を描きます。

いわゆるファッション業界でのハンガーイラストというのが、

この参考画像03です。

 

この参考画像03でも、笑い話が沢山あります(笑)

 

この参考画像03のコートのハンバーイラストですが、パタンナーさんの

経験値や、得て不得手によってはとーーーても、怒られる要素があったり、

褒められる要素もあるのが解りますか?間違い探しのようなイラスト画ですが、

とても、ファッション業界ならではの「あるある」笑い話に繋がるイラスト画です。

そのお話はまた、次回の職人さん達とのご縁と、学びと交えてお伝えさせて頂きます。

 

ファッション業界での一番「あるある」で笑えてしまうのが、

頑固な職人でもある「パタンナー=型紙屋」さんとのディスカッション

バトルと、ディレクターでもある営業担当者様とのコミュニケーション

不足体験なので(笑)

 

そして、今後の番外編では、昨年までに多くのご縁と原点を見つめ直す

機会を頂いた大阪、京都、兵庫での大切な方々のご活動や、これまでの

体験から皆さまとご一緒に、本当の意味での「循環型社会」のあり方について

問いかけさせて頂ければ幸いです。

 

そして、

 

大阪=ファッション=「デザイン・アート思考」  =セミナー

京都=職人    =「つくる責任、つかう責任」=ワークショップ

兵庫=学び    =「循環型社会」      =コミュニティ

 

というそれぞれの場所で学んだ事を、人を通じて、モノを通じて、

コミュニティを通じてお伝え出来るように、なれれば嬉しく思います。

 

なかなか、言葉足らず事が多く、伝えきれない思いもありますが、

皆さまとの一期一会の出逢いに繋がる活動が出来るように、今後も

努めて参ります。

 

なかなか、同級生とも逢えない時期がありましたが、専門学校から

始まった原点を見つめ直しながら、少しづつ、新しい令和元年=

「原点回帰」の活動に努めて行ければ幸いです。

 

おまけ

いつも、身長がある事で、長年¥2,000迄で購入した

帽子を10年被っていても、帽子の紐の加工部分が削れて

いる事は一瞬では判らず、、、いつも高級な帽子を

被っている人と見た目だけの人と?思われるのが、

残念ですが。。。それが、人の思い込みのバイヤスですね(笑)

ファッションの仕事している=派手!お金の使い方が悪い!

そんな思い込みや先入観を失くし、自分らしい表現や思いを

尊重しあえる世界で、デザイン思考、アート思考の本質を

お伝え出来たら嬉しいです(笑)