「体温調整機能」

 

今回は、先日のブログで予告させて頂いた、衣服の

「体温調整機能」についてお話させて頂きます。

 

まず、人が汗をかく時、その汗には種類がある

というお話からお伝えさせて頂きますね。

 

1:不感蒸散

発刊を自覚しないけれど、皮膚や呼吸気道からは常時、

水分の蒸発が起っている自然に蒸発する汗と思って下さい。

 

2:精神性発汗

  精神的緊張に伴う発汗です。緊張すると手に汗をかく時などを言います。

  お子様のバレエやピアノ発表会などを 見守っている時など、「手に汗握る状況」

  での発汗を言います。また、苦いもの、酸っぱい酸味のあるものを食した時の

  味覚性発汗もこの発汗に分類されます

 

3:温熱性発汗

外気温・運動による体温上昇など、温熱刺激によって生じる発汗

 

汗の種類の中で、「温熱性発汗」が、気温の上昇や、運動によって起る、発汗

思って頂くと分かりやすいです。また、運動中は「温熱性発汗」と共に、自然と

発汗する「不感蒸散」も同時に起っています。

 

そうした皮膚から放出される汗を、人は、6つの方法で発散させています。

 

●「不感蒸散」(自然発汗)下記図参照

①:衣服の開口部や、衣類材料(布地等)を構成する

   繊維(布地)と繊維(布地)の隙間を通って外に出す(透湿)

 

②:繊維(布地)に吸水される(させる)

 

③:繊維(布地)に一旦、吸水(吸湿)させて、外に出す(透湿)

( ①と②を組み合わせた発散方法 )

 

●「温熱性発汗」

④:汗を、繊維の隙間に吸収(吸水)させ、繊維表面から蒸発(乾燥)させる。

 

⑤:汗を皮膚表面に残す(残留汗量)→「無効発汗」

 

⑥:汗を流れ落とす(流失汗量)  →「無効発汗」

 

 

この6つの汗の発散方法の中で、人がストレスを感じる発散方法が、⑤と⑥になります。

そして、人は汗を蒸発させることで、体熱放散効果を発揮します(体内の熱を放散させる)

 

また、人が暑さを感じる仕組みとして、

  • 人は恒温動物であることから 37℃程度の体温を保つ
  • 体内で産生された、37℃以上となった熱を発散する必要がある

という事から、37℃以上になった体温を下げるためには、体内で産生された

熱を発散させる必要があるため、①~④はストレスが少ない、汗の発散方法と

なります。逆に、⑤と⑥は、「無効発汗」となる(熱を発散させていない)為、

ストレスを感じる事になります。

 

といった、人の体温の保ち方と汗の種類汗の発散方法などをお伝えしましたが、

⑤、⑥の「無効発汗」という汗の発散方法によっても、人がストレスを感じるという

事から、人は、人との関り方だけでなく、気温、湿度、環境や、生活習慣(運動をする等)、

衣服や、衣服の素材、機能性なども関係している事がお判りいただけるかと思います。

 

前置きが長くなりましたが、こうしたお話を踏まえて、前回の

ブログでお話させて頂いた、ヨガの運動時のスタイルですが、

 

 【画像1】

①「パーカー」+「膝下のリブ付クロップドパンツ」

②「Tシャツ」+「フルレングスパンツ」

  素材:綿100%や、綿98、レーヨン2%

 

 【画像2】

①「後ろスラッシュ明きノースリーブP/O」+「チューブトップブラ」+「膝下ドロストクロップドパンツ」

②「ZIPフロント明きTカーデ」+「チューブトップブラ」+「フルレングスパンツ」

素材:綿50、レーヨン(モダール)50%

 

 

でしたが、当時の日本の女性に人気があった、スタイルが【画像1】のタイプです。

 

当時は、久しぶりのヨガブームが始まった時期であり、やっと東京に

専門的なヨガスタジオがオープンした時期でもあります。

 

当時は、海外のセレブのスタイリッシュなスタイル、またヨガという

健康的なライフスタイルについて、雑誌が取り上げていた時期でもありました。

なんだか今の、衣・食・住にまで関心が高まっている、健康的なライフスタイルの

トレンドにも似ていますね。

 

ただ、当時は海外セレブへの憧れはありましたが、雑誌で取り上げられていた

【画像2】のような肌を見せる部位が多いスタイルは、嫌煙されていました。

 

まだまだ日本の女性には、明るい部屋で、肌を露出して、鏡に映る自身の

姿を見ながら、運動するには抵抗があった時代だと思って下さい。

 

では、肌の露出が恥ずかしい?というだけで、日本の女性は、【画像2】の

スタイルが好きでは無かったのでしょうか?以外と、日本の文化と気候が

関係しているように、私は感じます。

 

最初にお話させて頂いた、汗と人の「体温調整」方法から、汗をかきやすい

背中や、胸部、脇下箇所に繊維(布地)面積が広く、皮膚と重なっているのが

【画像1】のスタイルです。

 

本来、日本女性はあまり肌を露出しない着物という「体温調整」に優れた衣服

文化があります。日本独特の湿度の高い気候から、汗を機能的に循環させる必要が

ありました。また、第二の皮膚でもある衣服では、「体温調整機能」が高い布地を

使い、気温、湿度が変化する季節に応じて布地、着衣方法の工夫がなされていた事

から、自然と、日本の気候、気温、季節に適した素材で、出来るだけ肌を露出しない、

したくない文化が根付いていたように感じます。

 

60年代、70年代のボディコンシャススタイル(今の世代の方わかるかな?。。。)

などは、当時の経済的背景や、トレンドの裏側もあり、今回の「体温調整機能」の

お話とは、少し観点が違うので論外なのですが。。。

 

「体温調整機能」の話に戻ります(笑)

 

日本では特に、6月頃は、湿気が多く、熱がこもりやすく、ジメジメした

重い空気で、体調を崩される方が多いかと思います。そうした日本ならではの

気候特性を体感している方々は、本能的にストレスの少ない汗の発散方法となる

繊維(布地)の接触面積が多い衣服を選んでいる可能性もあります。

 

その結果が【画像1】のスタイルに人気があった理由のように、私は思っています。

当時は、ホットヨガもトレンド的に出てきた時期でしたので、特に汗をかきやすい

環境からも、【画像1】のスタイルを選択された可能性があります。

 

もちろん、色柄、着用用途が【画像1】の方が、普段のリラクシングウエア

としても、活用しやすいスタイルだった?なども、理由として上げられると思います。

 

ただ、【画像2】のスタイルが、日本女性に向いていなかった?事もないのです。

このスタイルがヨガをされる上で、実は、【画像1】よりも優れた「体温調整機能」を

持っていたのですが、当時は、ヨガを憧れだけで始められた方が多かった事、また、

ヨガをする上で、汗をかいた時にどの部位に熱がこもり、汗を発散出来ずに、ストレスを

感じるのかが、本能的に判らなかったからだと思います。

 

 

【画像2】のスタイルの良さ、特に素材の良さについては、また、次回にお話させて

頂きますね。この素材についてのお話は、これから皆さまにも本当に、良い素材とは?

環境に優しい素材とは?という視点から、専門家の方のご紹介や、お話も交えながら

お伝えしていけたらと、思っています。

 

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【予告】

なぜ冒頭に、汗の種類をお伝えしたかというと、人は、運動をしていない時でも

汗をかき、汗をかく時には、外部の環境や温度、刺激にも左右されると行く事を

知っていただきたかったからです。ではなぜ?そんな汗をかくメカニズムまで知る

必要が?と思いますよね?

 

それは、漢方の養生学では、人の健康的な体をつくる、体内の

循環システムを、「木」に例えて考えるからです。

 

「木」は自然の恵みである大地に守られ、大地の肥沃な土から栄養素を取込み、

雨水や雪水をろ過して流れてきた水を吸収し、また、自身の体(木と葉)から、

水蒸気を発散する事で、自然界の循環システムを整える役割を担っています。

 

そしてまた、人は「木」や、自然の循環システムによって守られ、地球という

自然循環システムの恩恵を受け、生かされているという事お伝えしたかったからです。

 

そうした、地球環境の恩恵に守られている、人の健康的な体づくりの基本となるのが、

木が行っている循環システムと同じように、体を形成している水分や、栄養素の流れを

正常化させていく事だからです。

 

また人が、恵まれた地球環境の中で生かされ続けていくには、自身の健康的な体づくりと

共に、生かし続けてくれている、自然環境の健全な循環システムも守っていかないと

いけない義務がある事を、知って頂ければ、幸いです。

 

このお話は、また、今後の「食」や、「住」のライフスタイルをテーマとしたブログの中で、

健康的な体づくりと共に、詳しくお伝えしていきます。楽しみにしていて下さい。